「久五郎(愚庵)、皆で坊主持ちをやろうではないか」、「久太郎(政敏)さん、ここは坊主は通りませんがな」、「坊主でなくともいい。馬がよい。馬持ちじゃ」、坊主ちとは坊主と行き交ったら荷の持ち手を交替する一種の遊びである。「馬に出会ったら持手を替えよう。どうじゃ」。 江政敏は旧磐城平藩士、明治13年から北海道十勝の大津(現・豊頃町)で漁場を持ち、事業を拡張しすぎアイヌの批判にあった人物、直筆の『枢要手記』により、大津での事業を直に知ることができた一方、天田愚庵には『江政敏伝』という著作があることがわかった。二人の関係をとおして幕末、明治初期の時代の一端を描いている。
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著者/不破俊輔 福島宜慶 (ふわしゅんすけ ふくしまやすよし)
四六判/256頁
定価: 2,400円+税(税込 2,640円)
ISBN978-4-8328-1506-3 |
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