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ケプロンの教えと現術生徒

 

ケプロンの教えと現術生徒

−北海道農業の近代化をめざして

 

 

 

開拓使による欧米農業技術の導入その歴史的場面を克明に描く異彩のドキュメンタリー。それまで我が国においては経験したことのない未開の北方寒冷地における農業技術の成立を目指して開拓使(明治政府)が試みた洋式農業導入の実態を、膨大な開拓使文書を丹念に調査することによって明らかにした労作である。特に、農業現術生制度と試験場(官園、育種場)に関する研究は学術的にも貴重である。北海道開拓史、北海道農業発達史は言うまでもなく、欧米技術文化の移植による我が国の近代化の過程を知る上からも極めて興味深い著書と言えよう。
彼ら(現術生徒)に課せられた仕事は、「西洋の農業技術を外国人教師から直接学びとり、それを北海道の開拓の現地に実現せよ、のために自ら模範を示して教えを導け」という厳しいものであった。理論と実践を一つのものとして身につけ、その実行力が求められたのである。そんなところから「現術」の言葉が充てられた。〔中略〕
土を耕すのにどんな農具を使っていたか、何の種を蒔いていたか、ビールの味はどうだったか、バターやチーズはいつどこで造くられたか、チューリップやダリアはいつから咲きはじめたか、初なりリンゴの色や品種名などなど、現在につながる多くのもののルーツがみえてくる。興味のあるルーツを根気よく探しながら、近代化に向かって出発する北海道の様子をじっくりと眺めてほしい。

 

 

著者/富士田金輔

A5判 /306頁

定価: 3,800円+税(税込 4,180円)

ISBN978-4-8328-0605-4

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【目次】

はじめに
一 官園の設置と生徒教育
(一)札幌官園が動き出すとき/(二)洋式農業、ケプロンの指導とその特長/(三)東京官園の役割/(四)現術生徒とは―生徒制度のあらまし―/(五)北海道七重村から実践活動へ
二 洋式農業の始まり
(一)西洋農具初めて開拓の現地へ/(二)農民の組織「農社」が誕生/(三)札幌官園が本格始動/(四)農業修業人の養成/(五)官園を育種場と改称―開かれた試験場へ―/(六)開墾事業 を一挙に進める計画/(七)団体・会社移住の始まりとプラウ開墾
三 西洋農具(プラウ)の国産化と普及
(一)国産プラウ第一号の誕生/(二)札幌製作に至る経緯/(三)札幌での製作状況/(四)室蘭での製作状況 /(五)共同所有から個人所有へ/(六)プラウの購入を奨励―「西洋形農具払  下順叙」―/(七)改良型プラウ、その他のこと
四 北海道農業の基礎づくり
(一)洋式牧場の展開/(二)ビールとワイン、「原料は自給せよ」/(三)製物場と農産物加工試験、そして販路の模索/(四)北の風土に適した作物を/(五)新天地を花で飾ろう/(六)リンゴの  苗がしっかり根づくまで/(七)寒冷地の稲作に挑む
五 各施設の規模と役割―まとめにかえて―
あとがき

 
 

 

2006.04.12発刊

 

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