列島弧をめぐる中世のアイヌ文化!! 8〜16世紀にかけての自然環境と北方文化、チャシの成立過程、アイヌ文化と北東アジア諸民族の物質文化と精神文化、日本列島北部と大陸との文化交流をもとに空白の中世にせまる。
本書は、珪藻の分析などから北海道における十世紀以降の環境変動、考古学的に古代末期の須恵器や鉄製品の出土例からみた古代北海道における物流経済、考古学的視点からみた中世アイヌ文化の北方交流、サハリンの要害遺跡やチャシの築造技術に関する考察、民族(俗)学的な出土資料、あるいは近世に残存した文献などからみた北海道の中世社会、花粉、種子分析、さらには栽培植物からみた北海道と大陸の関連性、北東アジアにおけるクマ送りのこれからの民族学的課題、北海道中世期におけるアイヌの住居(チセ)をめぐる視点、北海道とその周辺地域における編みと織りの痕跡の研究、アイヌ民族の本州産漆製容器「カモカモ」の利用からみたアイヌ社会と文化、さらにはアイヌ民族の伝統的な髭箆(パスイ)の機能の研究、同じくアイヌ民族の伝統的な食糧資源の一つであるオオウバユリについての報告から、アイヌ文化と北海道の中世社会の変容過程の一端を明らかにしようとするものである。
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著者/氏家 等編
A5判 /298頁
定価: 3,800円+税(税込 4,180円)
ISBN978-4-8328-0604-7 |
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