知里幸惠のウウエペケレを集めた『アイヌ民譚集』は、原稿ができていて「爐邉叢書」の一冊として出版される予定だった。 しかし郷土研究社の経営危機もあり、出版が見送られた形跡がある。原稿も現在行方不明である。 幸惠のウウエペケレは、「ノート第一」の中に次の三編が遺されている。「川上の人と川下の人」(パナンペ・ウウエペケレ)/「石狩河口のニシパの話」(人間のウウエペケレ)/「飢饉を司る神の話」(神のウウエペケレ)。この貴重な作品の読解のために、ローマ字とカタカナによるアイヌ語本文と幸惠の訳文を三行構成にし、本文と訳文が重なるように語句の分かち書きを施し、読みやすさに工夫をこらした。また必要な脚注によって利用者の便をはかった 。
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著者/知里幸惠著訳 北道邦彦編注・訳
A5判/129頁
定価: 2,000円+税(税込 2,200円)
ISBN978-4-8328-0402-9 |
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