本書は、武四郎が一市井人として初めて蝦夷地に渡った1845(弘化2)年の東蝦夷地・松前地の記録と、翌1846年の西蝦夷地・樺太の調査に加え、3回目の1849(嘉永4)年の国後島・択捉島を探索調査した記録〈全35巻〉を纏めてなった初の本格的蝦夷地誌である。成立は嘉永3年で、引用文献の中には既に散逸したと目される文献も少なからずあり、幕府その他に呈上された当時から第一級の蝦夷地史料として関心が払われていた。この書は国立史料館寄託本を吉田武三校註により昭和四十六年刊行を見ているが、すでに入手は困難なうえ、一部虫食い、欠丁などもあるので、このたびの翻刻は、宮城県図書館(伊達文庫)蔵本を底本とし、これら一編・二編・三編を三分冊にし一函とした成ったものである。
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著者/松浦武四郎著 秋葉 實翻刻・校訂
A5判/1,280頁
定価: 25,000円+税(税込 27,500円)
978-4-8328-9907-0 |
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